4月8日から13日まで開催された2025年のミラノ国際家具⾒本市(ミラノサロ ーネ)。
169,000平方メートルにも及ぶ展示会場には、世界37カ国から2,100を超える出展者が集結する中、期間中30万人以上もの来場者が訪れ、世界最大級の家具⾒本市ならではの風景が繰り広げられました。2008年の初出展から15回目となるリッツウェルは、今や、サローネを牽引する国際ブランドの一つとして、開催前から大きな期待を寄せられるまでに成⻑しています。
ブース面積も昨年を大きく上回る230㎡に拡大された今年、リッツウェルブースへの来場者は15,000人を超え、その高い商品⼒と独特のプレゼンテーションは、世界を代表するラグジュアリーブランドが集まるHALL9の中でも確かな存在感を放ちました。

昨年に引き続き、イタリアの建築スタジオ 967arch が担当したブースデザインの今年のテーマは、「静けさ」と「やすらぎ」。
新たに発表された3アイテムを中心に、新旧の人気商品が上質な生活空間を提案しています。抑制の効いたカラーと照明の柔らかな光が家具の美しさを引き⽴てるブースは、壁面の一部を構成する縦格子で視覚的な広がりを感じさせつつ、天井高の異なるスペースを組み入れることで、家具と住まいの関係性を意識した落ち着きのある空間と、プロダクトの魅⼒にフォーカスした開放的なスペースを、リズムよく繋いでいます。
リッツウェルブース展示の定番ともいえる“ 床の間” スタイルのディスプレイは、家具と空間の融合を意識した新たなスタイルへと進化し、家具の醸し出す心地よさがより際立つ演出となりました。

今年も連日熱心なファンが詰めかけた、糸島シーサイドファクトリーの職人による手仕事のデモンストレーション。
彼らのモノ作りへの真摯な姿勢は、リッツウェルブランドの新たな魅⼒として、多くの人に認知され始めています。創業以来、生活の中の家具のありかたを追求し続けるリッツウェルならではの確かな家具作りと、そこから生まれる美しく心地よい暮らしへの想いは、これらのプレゼンテーションを通して、今年も多くの人々の共感を得ることができました。

リッツウェルが目指すデザインを超えた“ 家具文化”

今年のサローネで発表されたリッツウェルの新作は、洗練されたデザインと極上の座り心地が特徴的な3アイテム。いずれも、職人の丁寧な手仕事が美しい表情を際⽴たせる、リッツウェルならではの商品に仕上がっています。
流れるような脚部ラインとボリューム感のあるクッション部の絶妙なバランスが美い“CONSTANTINO (コンスタンティーノ)イージーチェア”。56のユニットからなるモジュール式のシステムソファ “VELAR (ヴェラール)モデュラーソファ”は、肘部に施されたデザインステッチがシンプルなフォルムにエレガントさを加え、機能的でありながら高いインテリア性が魅⼒です。身体を優しく包み込む絶妙なホールド感と、手のひらに感じる厚革のユニークなテクスチャーが心地よい“VESPER(ヴェスパー)ラウンジチェア”。
光と影が織り成す⽴体的なフォルムの美しさが秀逸です。

「素材への探求心」と「クラフトマンシップへの敬意」。ここから生まれる上質な家具の数々が、作り手から使い手に委ねられ、年月を経て暮らしに溶け込みながら、味わい深い家具に育っていく。こうして時を重ねながらデザインを超えて伝わる家具の文化こそ、暮らしを豊かにするものだと私たちは考えています。普段では目にすることのできない職人の作業風景を眺めながら、実際の商品を体感できるユニークな展示は、リッツウェルのそうした想いを形にしたもの。
ブランドメッセージの浸透と共に確かな商品力が評価され、会期中、既存ディーラーの来訪に加え、新規開拓国からも多くのオファーをいただくなど、現地での商談にも大きな成果を上げることができた今年のリッツウェル。
世界中からの多くの引き合いを受け、更なるビジネスエリアの拡大を実現した2025年のサローネは、今後のグローバル戦略を支える重要な一歩となりました。

Photographer:marco reggi


映像制作:nobunobu
撮影:矢口信男
企画プロデュース:成ヶ澤伸幸