2024
トップブランドが並ぶHALL9で際立つ存在感
出展14回目、サローネ常連ブランドに成長したリッツウェル
世界35か国から1950以上の出展社数を記録する中、来場者も370,824人(昨年比20.2%増)を数え、コロナ禍前の盛況を取り戻した2024年のミラノ国際家具見本市(ミラノサローネ)。パビリオンの全面的な再構成を行なうなど、来場者の満足度を高めるための主催者側の様々な試みが功を奏し、今年のサローネは多くの来場者の熱気に包ま れた6日間となりました。
パビリオンの再構成に伴い、世界を代表するラグジュアリーブランドと共にHALL9での出展となった今年のリッツウェル。昨年の展示面積を大きく上回る184m²の展示ブースには、年々高まってきたリッツ ウェルブランドの認知度を裏付けるように、過去最高となる来場者が訪れ、人気ブランドが集まるHALL9の中でも ひときわ高い注目を集めました。
3年ぶりの新カタログ発刊に先立ち、2つの新商品と共に、厚革と塗装の新色のお披露目となったリッツウェルのプレゼンテーション。無垢材の削り出しによる美しいフォルムが魅力のCONSTANTINO(コンスタンティーノ)アームチェアとMTリビングテーブルの新商品を中心に、厚革の新色(3色) やマットウレタン塗装の新色(3色)が施された新旧のアイテムが、穏やかな調和を生み出しています。
今までのリッツウェルと趣を異にした明るいしつらえのブースデザインは、昨年同様、イタリアの建築スタジオ 967ARCHが手がけたもの。柔らかに視界を遮るルーバー状のファサードと爽やかな緑。心地よい開放感が漂う自然との調和を意識した美しいブースには、連日多くの人が訪れ、一時、展示アイテムをゆっくり検討することのでき ない時間帯もあったほど。
昨年に引き続き、糸島シーサイドファクトリーの職人による手しごとのデモンストレー ションも行われ、ていねいに作り込まれた家具とそれを支える職人の技を間近で感じようと熱心に見入る来場者の姿は、今やリッツウェルのお馴染みの風景となっています。創業時から変わらない思想をベースに、デザインや素材に新たな価値を吹き込んだNew Collection。サローネでのプレゼンテーションを通して、リッツウェルの素材に対するユニークな発想と新たなアプローチに、新鮮な驚きとたくさんの共感をいただくことができました。
NEW SUSTAINABLE VALUE
素材への探求心が生み出すリッツウェルデザインの未来
今年、“NEW SUSTAINABLE VALUE”のコンセプトのもと、デザインに新しい可能性を見出した素材への取り組みが大きな反響を呼んだリッツウェル。
従来は欠点ともみなされたウォールナット材の白太を、「欠点として排 除するのではなく、ただ一つの個性としてデザインへと昇華させたい」という思いから、2年以上の歳月をかけて 開発したマットウレタン塗装の新色「蒼墨色(ソウボク)」と「玄色(ゲン)」。隠すのではなく、素材の潜在的な魅力 と可能性を引き出すという新たな発想が、ウォールナットの木目の特徴を活かしたその美しい仕上がりと共に高く評価されたことは、サスティナブルデザインを目指す私たちにとって大きな収穫でした。
温かさと程よい緊張感 をもたらすCONSTANTINOアームチェアと、日本古来のモジュールを採用した独特の存在感が魅力のMTリビ ングテーブル。オーク材とウォールナット材の無垢材を削り出した美しいフォルムにマットウレタン塗装を施した2つの新商品には、その見事なデザイン性と素材開発の背景に対して、多くの関心が集まりました。
抑制のきいた仕上がりが素材の美しさを引き立てるマットウレタン塗装の新色「蒼墨色(ソウボク)、玄色(ゲン) 、ホワイト」と、革本来のナチュラルな色合いが空間を明るく彩る厚革の新色「ECRU(エクリ ュ)、AMBER(アンバー)、TERRACOTTA(テラコッタ)」が加わったことで、既存のイメージに新たな世界観をもたらしたリッツウェルのプレゼンテーション。ブランドとしての話題性の高さはもちろんのこと、建築家、インテリアデザイナーからの注目も高く、新たな取引先とのビジネスの可能性を確信したサローネとなりました。
Photographer:marco reggi