そして、麗しきhomeaholic | M様邸 CASE #032

出会いは生き方を変え、環境は暮らし方を変える。
M様の場合、家づくりという契機で、まさにこれが起きた。 自分たちで納得できるまで徹底して探し、選び、そしてコーディネートした住まい。家具選びも同様に。
今回は、家づくりで磨き上げたM様ご夫婦の審美眼と、麗しきhomeaholicなエピソードをご紹介。
※homeaholic(ホメアホリック):家で過ごす時間をこよなく愛する人、または住まいやインテリアに強いこだわりを持つ「家中毒」を意味する造語。
情熱が結晶する

新築から2年が経過したM様邸。マンションでの暮らしから一戸建てへの住み替えを決意したきっかけは、家族の存在とリモートワークを中心としたライフスタイルの変化だった。
旦那様:「以前住んでいた場所はアクセスこそ抜群で賑やかな街並みも楽しかったのですが、コロナ禍を経て夫婦ともにリモートワークが増え、より家の中の心地良さや開放感を求めるようになっていきました」。
奥様:「ちょうど私の兄家族が一戸建てを建てたばかりで、やっぱり一軒家はいいなと。そんな時に素敵な担当者との出会いがあり、トントン拍子で話が進んでいきました」。
その言葉通り、M様邸は洗練された美しさに満ちている。M様ご夫婦が目指したのは、生活感を極力排除した、美術館のような佇まいの空間だった。

奥様:「計画中に、自分たちの意識がどんどん変わって行くのが分かりました。当初は床も無垢材で統一する予定でしたが、よりスタイリッシュでエッジの効いた雰囲気にしたくなって、床には大判のタイルを採用し、木の天井とバランスよく落ち着きました。ガラスのリビングドアや階段上のアール壁など、随所に非日常的なディテールを取り入れています」。
おふたりは設計士やコーディネーターに任せきりにせず、すべての仕様をショールームにも足を運び、1から10まで選び抜いた。インテリアコーディネートを理論的に学び始めるほどの情熱が、この唯一無二の空間へと結晶したのだ。

自分たちの取捨選択
2人で立っても余裕のある広々としたアイランドキッチンは、ホームパーティー時にもゲストが自由に冷蔵庫へアクセスできる回遊性が特徴。ダイニングテーブルにはキッチンメーカーの特注品を選んだ。この2つが先に決まっていたため、それに合わせるダイニングチェア選びが、一番の難航ポイントだったという。

旦那様:「最初は、トレンドでもある丸みを帯びた有機的なデザインの椅子を検討していました。ただ、ダイニングスペースに6脚並べようとすると横幅が広すぎて収まりが悪く、空間も可愛らしい雰囲気に寄りすぎてしまう。自分たちが目指すスタイルには合わないと考えました」。
6脚というボリュームが並ぶからこそ、シルエットは空間全体の印象を大きく左右する。直線を基調とした、空間に溶け込みつつも品格のある椅子はないか。探す中で目に留まったのが、Ritzwellの「IBIZA FORTE(イビサフォルテ)」アームチェアだった。

旦那様:「直線的で、無駄のない四角いデザイン。6脚並んでもうるさくならず、むしろ整然とした美しさが強調されるなと思いました。モダンでありながら、どこか温かみを感じさせる佇まいに、一目で惹かれるものがありました」。
必要なデザイン要素を見極め、取捨選択する。こうしてM様ご夫婦のダイニングには、IBIZA FORTEアームチェアが迎えられることとなった。


軽やかさをもたらすトープカラー

デザインが決まり、次の課題は色と素材の組み合わせだった。IBIZA FORTEアームチェアは、ウォールナットに黒の厚革を合わせた「黒×茶」の重厚な佇まいが定番であり人気が高い。しかし、おふたりの審美眼は異なる解を導き出した。
旦那様:「黒革のモデルは、単体で見れば文句なしに格好良かったです。ただ、我が家のダイニングに6脚並べたところを想像すると少し重すぎる気がしました。キッチンが重厚なデザインなので、椅子までダークトーンで固めてしまうと、空間全体が暗く沈んでしまうのではないかと」。
そこで活きたのが、Ritzwellの豊富なカラーバリエーションとマテリアルだ。M様ご夫婦が選ばれたのは、グレーとベージュの中間に位置する、ニュアンスのあるトープグレーのレザー。そして木部には、明るくナチュラルな風合いを引き立てるナラ材のホワイトオイル仕上げだった。
奥様:「この組み合わせの実例はどこにもありませんでした。なのでキッチンや天井の小さなサンプルと何度も突き合わせ、ショールームの光の下で確認したりしました。それでも、実際に6脚が自宅に運び込まれるまでは不安はありました」。

しかし、その不安は杞憂に終わる。完成したダイニングに並んだ椅子は、驚くほどの軽やかさと洗練された空間をもたらした。
奥様は家を建てられた後、大好きな料理とファッション、そして住まいへのこだわりをInstagramで発信するようになり、それがきっかけで現在は読者モデルとしても活躍されている。環境が変われば暮らし方も変わり、QOLも高まるのだ。


IBIZA FORTEが持つタイムレスな魅力

『IBIZA FORTE』シリーズは、発売から25年近くが経過する、Ritzwellの歴史を初期から支えてきた重要なシリーズ。地中海に浮かぶイビザ島の青い空と乾燥した空気、そしてどこか素朴でナチュラルなテイストを内包したデザインだ。
そのコンセプトが時を経て、現代的なトープカラーを纏うことで見事に昇華された。奥様もその背景を知り、深く納得した様子を見せた。
奥様:「トレンドを意識していたわけではないですが、無意識のうちにそのタイムレスなデザインの根底にある優美さに惹かれていたのかも知れません。直線的な印象ですが、触れてみるとエッジの角が丁寧に取られていて決して尖っていない。職人さんの細やかな気遣いが伝わってきます」。
さらに旦那様も、プロダクトとしてのディテールの美しさを熱っぽく語る。
旦那様:「後ろ脚のラインが秀逸ですよね。わずかにテーパー(傾斜)がかかっていて、スッと脚長に見える。特に横から見たときの弓なりの曲線が本当に美しい。接合部のクサビのような意匠など、細部へのこだわりも男心をくすぐります(笑)。どこを切り取っても絵になる椅子です」。

集い、寛ぐ、いつまでも

見た目の美しさもさることながら、日々の暮らしにおいて何より感動しているのは、その「座り心地」だ。
奥様:「我が家はホームパーティーが大好きで、月に1〜2回は友人を招いています。いつも気が付けば8時間以上、ずっとこのダイニングスペースで座ったまま飲み明かしていることも珍しくないんです。それだけ長い時間座っていても本当にお尻や腰が痛くならず、まったく苦痛を感じないのにびっくりしました」。
IBIZA FORTEアームチェアは、あえて身体を包み込み過ぎず、浅く腰掛けても深く身を委ねても、その時々のリラックスしたい姿勢に合わせて座り方を自由に調整できるようにデザインされている。その許容力の高さが、長時間でも快適に過ごせる理由なのだ。
奥様:「この家に移り、Ritzwellの椅子を迎え入れてから、暮らし方そのものが大きく変わりました。友人からも『空間にマッチしていて格好いい椅子だね』と褒められますし、Instagramでも『その椅子はどこのブランドですか?』という質問をよくいただきます。この実例の少ない組み合わせが、誰かの参考になるのなら嬉しいですね」。

端正な経年美化

美しいトープカラーのプレミアムレザーだからこそ、日々のメンテナンスには多少の緊張感も伴う。
奥様:「最初は料理やワインをこぼしシミができたらどうしようとヒヤヒヤしていました。でも2年が経ち、少しずつ小さな生活の痕跡を纏うにつれて、それも愛おしく思えるようになってきました。家も家具も、私たちと一緒に暮らしに馴染んでいくような感覚です」。
トープグレーの厚革はRitzwellの最上級品質で、革本来のナチュラルな表情が活かされている。デリケートではあるが、使い込むほどに味わい深まる『経年美化』を最も愉しめる素材だ。木部も、乾燥しやすい場所に時々ホワイトオイルを薄く塗るだけで自然な艶が戻り、美しい状態を保てる。将来的なリフレッシュや張り替えは表参道ショップ&アトリエや糸島シーサイドファクトリーで職人が完璧に対応するため、安心して永く使い込んでほしい。


最後に、これから家具選びや家づくりを考えている人々に向けて、自らの経験から得た貴重なアドバイスをいただいた。
奥様:「本当に良かったことは、インテリアや家具を面積の大きい順番に決めていくこと、そして常に現物サンプルを持ち歩くことの2点です。まずソファやテーブルといった空間の主役となる大きな家具を決め、そこから細部を詰めていくと失敗がないと思います。色に関して人間の記憶は曖昧なので、実際のサンプルと突き合わせる手間ひとつで、ミスマッチを防げます。後は楽しむことが一番ですね」。
美術館のような静謐さと、大切なゲストを温かく迎える包容力。
おふたりから溢れるhomeaholicな言葉たち。
そしてRitzwellのIBIZA FORTEアームチェアがその日常の一端を支えている。インテリアコーディネーター然としたM様ご夫婦の審美眼。おふたりの感性が共鳴して生まれたこの場所は、これからも端正な深みのある経年美化を遂げていくに違いない。
M様、ありがとうございました。

