快適な住まいは人を出不精にするという。休日に出かけるよりも家に居た方が快適という訳だ。
新築に合わせて導入した家具にもその一端が担えたとするならば、家具ブランドとしても嬉しい限りだ。
N 様ご家族は川越市で自営業を営まれている。この日は訪問メンテナンスに合わせて、新居での住まい心地や家具の使い心地をお聞きするために訪れた。お仕事の合間を縫って時間を作っていただき、ご夫婦それぞれ個別にお話を伺った。つまり忖度なしの感想ということになる。

新居の完成時に導入したQX TABLE(オイルフィニッシュ仕上げ)。4 年分の経年変化をリフレッシュする前

相性で辿り着く

奥様:「テーブルに傷やシミが付かないように、普段からランチョンマットを敷くなど、気をつけていますが、オイル仕上げの無垢材なので多少は付きます。家族には遠慮なく言えますけど、お客様には“気をつけて”とは言えない時があります。冷えたグラスを直接置いたら輪シミになったりすることも、知らなければしょうがないですよね」。

N 様ご家族が新居を構えたのは2018 年。Ritzwell と提携しているハウスメーカーではあったのだが、自分たちで色々調べてRitzwell の家具を選択したという。以前のマンションでは主に北欧系の家具が好きで使用されていたN 様ご家族。新居に引き継ぐお気に入りの北欧デザインの椅子・照明との、相性の良い家具を探していた。

都内のマンションに住んでいた頃から集めてこられた北欧系のインテリア。それらとの相性の良さとmade in Japan が新居の家具選びの条件だった

奥様:「手持ちの北欧系家具と相性の良いもの。できればメイドインジャパン。という条件で辿り着いたのがRitzwell でした。引っ越し前に使っていたダイニングテーブルは新居には合わないのがわかっていたので、今は別の部屋で使っています」。

なんでも以前住まわれていたマンションは壁も床も家具も設備も、すべて白で統一されたインテリアだったとか。

奥様:「それが意外と落ち着いて暮らせたのです。新居では色数は抑えていますが全部真っ白はやめました(笑)。キッチンと玄関だけは明るくなるように白です。実はライトフィールドソファも最初白にしようかとも考えました。もう子育ても終えていて夫婦だけの家なので、遊んでもよかったのですが、もういい大人なので落ち着いた雰囲気を意識しました」。

ライトフィールド・ソファはファブリックとレザーで少し迷った程度で、ご夫婦で意見の相違はほとんどなく、他の家具もスムーズに選ばれたという。インテリアの色味を同じ系統で揃えすぎない絶妙な取り合わせは、まさに大人のコーディネートという感じだ。

LIGHT FIELD MODULAR SOFA(ライトフィールドモデュラーソファ)の上に掛かるのはN 様ご夫婦が大好きな並木恒延さんの『漆絵』。展示会にも足繁く通い、手に入れた春夏秋冬の4 作品

奥様:「主人もすごく家具のことを研究し一緒に選びました。やっぱり年を重ねてお互い好みもピッタリになっていました。家を建てるのは50 歳くらいが良いのかもしれません(笑)。自分の好みもはっきりしてきますし、あまり迷わないですね」。

楽しい時間を与えてくれる


奥様:「青山のショールームで色々見せていただいて、確かこのQX ダイニングテーブルに合わせて展示されていた椅子は別のものだったのですが、私たちはマルセルが気に入りました。他のダイニングチェアは気が付くと猫背になっていることもありますが、マルセルは逆に、背もたれのカタチに誘われるように、背筋が伸びて仰反るような感じでリラックスできるのです。結局、マルセルが気に入りすぎて新しい家具は全部Ritzwell で揃えちゃいました(笑)」。

おっしゃる通り、マルセルの三日月形状の背もたれは背中全体を優しく包み込む。特に斜めに座った時の心地よさは唯一無二と言ってもいい。姿勢の変化に合わせてフレキシブルにサポートするデザインなのだ。

奥様:「私たち、この家に住み始めてほとんど外食をしなくなりました。いつもこのテーブルに夫婦ふたり並んで晩酌しています。ほぼ休肝日無しで(笑)。そんな楽しい時間を与えてくれるテーブルと椅子なんです。だからレストランとかで座り心地が落ち着かないと、2次会は家でってことになるのです。我が家が落ち着くのですよねやっぱり。本当に最高です」。

QX TABLE(ダイニングテーブル)とMARCEL(ダイニングチェア)の織りなす直線と曲線の調和

一人暮らしをしている社会人と大学生のお子様方が帰省すると、ベランダでバーベキューをしたり一緒にお酒を飲みながら、くつろいだ時間を過ごされているという。お子様たちの家具への感想はいかがだろうか。

奥様:「私たちが家具にこだわった暮らしをしてきたので、子どもたちの方が良い家具で暮らすことが当たり前になっているんです(笑)。そんな子どもたちからも不満の声がないところを見ると、私たちの選択は間違っていなかったと確信しています。むしろ子育て中でも良い家具に囲まれて暮らしてきて良かったと思います」。

「仕事の日は昼休みに30 分間、ライトフィールドソファで仮眠を取っています。主人とL字になって(笑)。集中して眠れるので午後の活力が生まれます。ありがたい限りです」と奥様

メンテナンス実演

今回N様が「訪問オイルメンテナンス無料サービス」に抽選で選ばれ、この日がメンテナンス日。

訪問メンテナンスサービスは、オーナー様のお住まいに訪問させていただき、オイルフィニッシュ仕上げのテーブルへのオイルメンテナンス、家具の状態のチェックとメンテナンス、日常のメンテナンス方法などのご相談をお請けする【Ritzwell owners club】限定の無料サービス。

※ウレタン塗装の場合はご自宅でのメンテナンスは行いません。お問い合わせください。

Ritzwell 製造部/品質管理課の森口:「初めにテーブルのオイルメンテナンスを行います。作業の前と後でどのように変化するか見ていただければと思います。本当に簡単な作業です。汚れはサンドペーパーで表面だけを削ります。むしろ1mm でも削るのは大変なのです。少ししか削れないので安心してください。汚したとしてもストレスなく使えるようにレクチャーします。家具もかわいがってもらえると喜びますので」。

サンドペーパーなら荒目240 番、細目320 番を使い木目に沿って削る。
「たいていのシミや汚れは目立たなくなります」
次にケアオイルを全体に染み込ませ、余分なオイルはウエスで拭き取る。30 分くらいそのまま放置(乾燥)。シトラスの良い香りが部屋中に漂う。日常的に手軽なメンテナンスを行いたい場合はこのオイル塗布のみでもOK
無垢材は湿度の影響を受けて収縮するので、接合部のネジに緩みがないか確認する
埃が溜まりやすい縫い目やクッションの裏側を丁寧にブラッシングする森口と、作業を見守る旦那様

洗練された重厚感

旦那様:「Ritzwell の最初の印象は、モダンでデザインもいい。そして素材感がとっても良いというものでした。海外メーカーに負けない日本人のものづくりの精神性を感じました。そもそものきっかけはWEB で見かけたIBIZA FORTE(イビサフォルテ )に興味を持って、妻と青山のショールームに行きました。新築をするにあたって家具ブランドをいくつか見て回りましたが、なんだか“ズドン”とくる感じがありませんでした。でもRitzwell を見に行ったら、木質の重厚感はあるし洗練された雰囲気で、これだ!と思いました」。

2002 年に発売されたIBIZA FORTE リビングテーブル。独特の“そり”は神社仏閣や日本刀を想起させるタイムレスなデザイン。Ritzwell のアイコニックな存在
有機的で凛とした佇まいのJABARA。特に男性の心を掴むことが多いのは蛇腹機構のせいなのだろう。旦那様もまさにそうだった

旦那様:「川越は古い街で建物も道具も100 年単位で語られます。祭りもそうです。そのため街の人も結構鋭い審美眼を持っている人が多く、近所の方に家具を褒められるのは本当に嬉しいですね。Ritzwell の家具は、デザインと機能性が合致していることが誰の目にも分かるみたいです」。

旦那様はJABARA のサイドボードに一目惚れし、発売直後にご購入いただいたという。

旦那様:「即決でした(笑)。蛇腹の扉なんて素敵じゃないですか。木質感があって斬新だし、一目惚れでした。ただ搬入の時は階段を通れなくて釣り上げてベランダから搬入してもらいました(笑)」。

JABARA の横にはIBIZA FORTE サイドテーブル。軽くて持ち運びもしやすいので、ソファーサイドにもすぐに移動できる

Ritzwellの家具とこれから

レザーのコバ部に入り込んだ埃は毛足の長いブラシで払い、レザー専用のウエットティッシュ等で丁寧に拭く

ウレタン塗装とオイルフィニッシュ。それぞれにメリット・デメリットがある。N 様ご夫婦は暖かみのある手触り、木材の素材感が最大限に引き出されるオイルフィニッシュを選ばれた。仕上げの選択はどう判断されたのだろうか。

旦那様:「迷いましたがお店のスタッフさんから色々お話を伺って、長く使うためにもオイルフィニッシュの方が味が出て良いと聞き決めました。実際使ってみてそれは正解だったと思っています」。

お忙しいN 様ご夫婦だが、おふたりでメンテナンスを楽しみに変えて行っていただけることだろう。メンテナンスの手間も愛情も、かけるだけ深まるものだ。

旦那様:「今回のようにプロのメンテナンスを目の前で実演してもらえると、とても参考になります。状態を見てもらえるのも安心です。私も仕事柄ものを作ったりすることは得意なので、今後は自分でやってみようと思います。難しいことはないと分かりましたので」。

艶やかさが増したMARCEL(マルセル)ダイニングチェア。N 様ご夫婦の晩酌のお供を、これからもよろしく

今回奥様にいただいた言葉「家が一番くつろげるので、外食をしなくなりました」。これは本当にうれしい一言。新築した住まいあってのことだが、家具屋冥利につきる。それから「家と一緒に家具も育っている感じがします」という言葉も胸熱だ。

家具は頻繁に買い換えるものではない。長く使おうと思えばしっかりとした、良い素材を選びたい。『木・金属・革・ファブリック』などの、素材へのこだわりは“時間と共に美しく変化し、深い味わい”となって必ず還ってくる。本物の価値を求めるオーナー様には本物の価値で応えていく。それがRitzwell の信念だ。

N 様ありがとうございました。

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