羨望のうしろ姿|S様邸
CASE #006
人生は取捨選択の連続だ。特に家づくりにおいては決断することがほとんどすべてと言っていい。施主の決断力が理想の家づくりの鍵になるからだ。
S様が自宅を新築するにあたり、掲げたテーマが『非日常・リゾート感』だった。それは練馬区内に理想の土地と出会うところから始まる。
小さな建築
旦那様:「我が家は子どもが中1、小4、小1の3兄弟。以前住んでいたマンションでは、ソファが汚れてしまい、引っ越す前に捨てちゃったから、最後はビーズソファだけで生活してました(笑)。そんな感じだったから、新居では非日常・リゾート感がテーマのひとつでした。あとは子どもたちが落ち着いて勉強してくれる環境づくりです」。
住宅メーカー選びでまず取捨選択を迫られたというS様。プランはそれぞれ特徴的で、S様を大いに悩ませた。X社に決めたのは、ゆとりのある間取りと家具の予算まで考慮して、トータルでプランニングしてくれたことだという。
旦那様:「家づくりは自分たちのブレない信念を試された感じでした。その中で自分たちの大事にしたい部分をより多く叶えられそうだったのがX社でした。そして設計士さんやインテリアコーディネーターさんと打ち合わせを進める中で、Ritzwellの家具を提案されたんです。
というか、実はそれ以前に、何かの雑誌でRitzwellのライトフィールドソファの記事を読んで、個人的に資料請求をしていたんです。家を建てるならこんなソファを入れたいなぁと。ビーズソファに座って(笑)。だから提案されたことに運命を感じました」。
奥様:「家具は家ができてから少しずつ揃えて…という考え方もありますけど、節目として、家具も一緒に揃えてから生活を始めたかったんです。共働きだし整理整頓できる収納、休日には夫婦で料理をすることもあるので広めのキッチンにしたかったし、パントリーからガレージに抜ける動線とか、ゴミ置き場の場所も決めて、生活感が出すぎない工夫とか。それと同じように家具も家づくりの重要な一部だと思ったんです。子育て中で家の中がついつい雑多になってしまっていたので、これからは優雅に暮らすというのもテーマでした(笑)」。
旦那様:「マンションの時も5階の角部屋だったので眺望の良いベランダがありました。そこでよく朝食やバーベキューなどを楽しんでいましたので、新居にもそういう場所が欲しいという要望はありました。ここは住宅地なのでライトコートのような中庭が設計のキーポイントになりました。あとはライトフィールドソファの佇まいが気に入ってましたので、それもインテリアのキーデザインになりましたね。細い脚、エッジの効いた背面の革とか、シャープさと柔らかなクッションとの対比。インテリアのプランニング時には、床のサンプルを持ってインテリアコーディネーターさんとRitzwellの青山ショールームにも行きましたよ」。
奥様:「今も中庭で食事をしたり、夜はふたりでお酒を飲んだりしています。景色を楽しむというよりも、中庭から室内を眺めていることが多いかな。照明を落としたリビングや、ライトフィールドソファのシルエットを眺めるのが好きなんです」。
2014年に登場し今も絶大な人気があるライトフィールドモデュラーソファ。ダイニングのイメージが強かったRitzwellが、このソファで新境地を開いた。2017年にはドイツのiF デザイン賞 2017を受賞。日本ブランドのソファの受賞は快挙だった。S様はライトフィールドソファのどんなところに惚れ込んだのだろうか。
旦那様:「まずは座り心地。仕事で遅くなることも多いんですが、ライトフィールドソファに座ると必ずウトウトしてしまい、そのまま寝てしまうことはよくあります(笑)。あとはデザインですね。柔らかさの中にあるシャープさ、エッジの効いたスタイル。高級感のあるラグジュアリーブランドは多いけど。何というかこういう知的な感じはあまりない気がします。革のステッチの繊細さは他じゃあまり見かけないし、それでいてRitzwellの家具は生活の中にすっと溶け込む感じがあると思います。ギラギラしたいやらしさがない。それから他のブランドとも合わせやすいです。コーヒーテーブルには大理石を選びましたが違和感がない」。
奥様:「おしゃれなものって意外と機能的ではないことってありませんか?デザインが気に入って買った靴でも履き心地が悪かったり。若かったらそれでも耐えられるけど(笑)。だから今の私たちが家具に求める要素として、デザインと機能性の両立は重要でした。家具って小さな建築ですよね。建築と同じと考えると構造と美が切り離せないことも納得できます。我が家のライトフィールドソファはファブリックもすごく選んだし、うちの配色が最高だと思っています。Ritzwellのショールームに置いてあるものよりも(笑)」。
旦那様:「我が家には合っているよね。ショールームにあるものより良いのかは分からないけど、おかげさまで唯一無二のソファになりました(笑)。あと手に触れるものには本物の素材を選びたかったからというのがあります。本物の素材感が空間としての質を上げてくれると思います。住宅もメンテナンスや耐久性などを考えると、全てを自然素材で作るのは現代では難しいですよね。コストも掛かるし。どうしても人工的な素材に囲まれて暮らすことが多いので、家具だけはできるだけ木や革などの自然素材で暮らしたかった」。
うしろ姿
奥様:「先日スツールを選びに表参道(ショップ&アトリエ)に伺ったんですけど、職人さんの作業姿を見ることができて良かったです。ひとつひとつすごく丁寧に作っているのがよく分かりました。パーツ交換ができるように考えられているのも大事ですよね、メンテナンスできるから。あとは重さも。今日納品されたVINCENTスツールもすごく軽いですよね、びっくりしました。美しさと機能性のバランス、触ってみるとよく分かります」。
旦那様:「独自のポジションですよねRitzwellって。北欧やヨーロッパの家具に近い雰囲気だけど、どことなく日本人のDNAが感じられる。ショールームで見たダイニングチェアのマルセルの後ろ姿もすごく良かった。我が家はまだ子どもが小さいので見送りましたけど。斜めとか後ろから見るとすごく映えるというか。もしかして、後ろ姿にこだわっているんですか?Ritzwellは」。
そうです。人も家具も正面というものは構えてしまうもの。しかしうしろ姿には、自然な、意識していない“素”の佇まいが出る。例えるなら、“狙わない美しさ”。寡黙だが雄弁に魅せるうしろ姿。確かにそういう設計をRitzwellは心掛けている。S様にそこまで感じ取っていただけていたとは。
旦那様:「それはすごく感じますね。ライトフィールドソファの背面にも独特の美しさがあります。普段は何となくコーヒーテーブル周りを広く使おうとして、ソファの背を窓辺に近づけていたけれど、後ろ姿、やっぱりもっと見せた方が良いですね。今日の撮影で少し移動したけど、しばらくこのままにしておきます(笑)」。
自分たちの価値観と美意識にしっかりと照らし合わせ、新居にRitzwellの家具を導入されたS様ご家族。理想の住まいの構成要素として選んでいただいたことに感謝。そして、Ritzwellのものづくりのストーリーを、楽しい時間として共有させていただいたことが何より嬉しい。
日々お客様に感動していただける家具を作りたいと思っている私たちが、『R’-DISCOVERY』のインタビューではむしろ、いやいつも、オーナー様のRitzwell愛に圧倒され、深い造詣に共鳴し、そして熱い想いに感動することばかり。
羨望のうしろ姿をこれからも追い続けます。
S様、楽しいお話ありがとうございました。
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