誰がメッセージを伝えたか | O様邸

JABARAの扉から

これまで引っ越しが多かったO様ご夫婦。その数はなんと12回に及ぶ。そんなおふたりが終の棲家として築浅のマンションを購入したのが2023年の初め。それに合わせて家具選びもスタートし、気が付いたことがあった。それは“自分たちが欲しいインテリアってどんなもの?”というクエスチョンだった。

住まいを変え続けてきた理由は、その時々の生活スタイルに合わせて住環境を楽しみ、且つ引っ越しが苦ではなかったこと。アメリカ西海岸での勤務時には3年間で3軒の家に移り住んだ。

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旦那様:「アメリカでは賃貸でも家具付きが多いんですよね。東京に帰ってきてからも次にどんな家に住むのか分からなかったから、今まで家具には無頓着でした」。

奥様:「良い家具を買っても次の家では合わないかも知れないから、その時々で凌いでいました(笑)。今ある白いソファも以前の住まいに合わせて購入したもので、寝心地は良いけれど座り心地はあまり…、でも古くないしまだ使えるので」。

旦那様の定年を機に、落ち着いた暮らしをしたいとの想いもあったO様ご夫婦。マンション購入を決断したもうひとつの理由に、猫ちゃんと暮らしたいということがあった。

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子猫しぃちゃん(4ヶ月)。旦那様がファンである広島東洋カープの“C”から命名

旦那様:「家具のことが分からないから、とりあえずマンションのラウンジに置いてあったイタリアンブランドのショールームを訪ねてみました。世界的なブランドだし確かに良いものでしたけど、日本人である私たちの体格に合っていない気がしました。テーブルの高さも75cmとか、ちょっと高めで。やっぱり日本のブランドで探そうと思いました」。

奥様:「それで、そのショールームを出てから、スマホで“家具屋”を地図検索して、近くにあったのがRitzwellの青山ショールームでした。海外ブランドかも知れないけど、マップでの評価も良かったし、予備知識もないまま軽い気持ちで行ってみようかと(笑)」。

ショールームに入った瞬間、旦那様を釘付けにしたのが、一番奥に展示してあったJABARA AV BOARDだった。

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旦那様:「思わず“うお!”と声が出ました(笑)。もう一目惚れです。デザイナーさんのメッセージを一瞬で受け取ったと思いました。ジャバラの扉のパーツ1本1本から、加工している職人さんの姿も見えました(笑)。もう言葉は要りませんでしたね。ビビッときて、心を撃ち抜かれました」。

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旦那様の心を掴んだJABARA AV BOARD。O様はナラ(ウレタン塗装)に脚部をスチール(黒)から、床の色に映えるステンレスヘアライン仕上げのシャイニーブロンズにアップグレード

Ritzwellが日本のブランドで日本製ということを知り、最有力候補となったが、そもそも家具のことをまだまだ知らなかったO様ご夫婦。その後も知見を得るためにいろんなブランドを見て回ったそうだ。

旦那様:「表参道店(Ritzwell表参道ショップ&アトリエ)にお邪魔した時に、雛壇ディスプレイ(TOKONOMA)にナラのRIVAGEイージーチェアが展示してあって、また一目惚れして“あ〜、これ下さい!お持ち帰りできますか?”と言っちゃいました(笑)。自分の還暦記念にイージーチェアが欲しいと思っていたし、ステッチも赤(ローズ)だったし…」。

奥様:「でも展示品はお売りできませんと言われて2、3ヶ月待ったのよね(笑)」。

旦那様:「でも今思うと、待つ楽しみを経験できたことも良い時間でした」。

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RIVAGEイージーチェアのハンドステッチカラーは、還暦記念として赤〈ROSE〉をチョイス
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RIVAGEイージーチェアを陽だまりに出して、読書をするのが次の冬の楽しみと旦那様。MO BRIDGEスツールにはトレイを置いてサイドテーブルとしても使用する

O様ご夫婦は、まずMO TABLE(ダイニングテーブル)とMARCELチェア、MO BRIDGEスツールを購入し、入居後スペースの余裕を確認しながら、RIVAGE イージーチェアを導入された。少しずつ新居の空間を自分たちの目線でコーディネートできて良かったそうだ。

旦那様:「色々見て回って感じたのは、イージーチェアって座り心地をよくするために、二度と立ち上がれないかと思うほどに、身体が沈み込むものが多い気がしました。でもこのRIVAGEはスッと立ち上がれるんですよ。座っても立ち上がっても良い。そして肘かけの握り心地がすごく気持ち良いんです」

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しぃちゃんも認めるRIVAGEイージーチェアの心地よさ

奥様:「しぃちゃんも気に入っているよね。猫ってやっぱり居心地の良いところを見つける才能があると思います」。

旦那様:「そうそう、ちょっと席をはずして戻ってくると、しぃちゃんにRIVAGEを取られていることが多いです(笑)。背もたれと座面の窪みの位置と弾性が絶妙ですよね。窪みの位置が1cmでも違っていたら、座り心地は全く違うと思います。それを猫もちゃんと分かっていて、絶対真ん中に座ってます(笑)」。

奥様:「私はMO TABLEの丸みが大好きです。視覚的にも安心感があって。しぃちゃんが飛び乗ろうとするけど、つるんと落ちちゃいます(笑)。だからあまり飛び乗ろうとしません」

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MO BRIDGEスツールの一脚には、奥様が用意されたしぃちゃん用のハンモックが取り付けられている。この発想はなかった!

真面目な消費者として

旦那様:「Ritzwellの家具は、なんていうのかな、家具から息遣いを感じるんです。家具の向こうに職人さんが見える気がします。私は長年、商品企画の仕事をしてきて、社内の優秀なデザイナーや設計者の想いをどうすればちゃんとお客様に伝えられるか、そんなことばかり考えていたもので、いざ消費者の立場でモノを買って使う場合も、ちゃんとモノと対話して選びたくなるんです。開発者インタビューなんかも好きですね。プロダクトが作られる背景が気になるんです。作る側の想いやこだわりや苦労も含めて全てを受け止めて、ちゃんと消費したい、という “真面目な消費者”でありたいと思うんです」。

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O様ご夫婦がRitzwellを気に入ってくださった理由のひとつに、創業当初から世界を目指す“気概”を感じたからだという。確かにミラノサローネに出展し続けることは長期にわたる計画と労力が必要。しかも出展したからといって商品がぐんと売れるわけでもない。ただRitzwellがRitzwellであり続けるために必要な“道標”であるだけだ。

旦那様:「RIVAGEのデザインポイントの1つだと思う“刀の反り”のようなラインは、日本人だけが感じる美しさではないはずです。和の要素を取り入れているように感じるけれど、実は国境や文化を超えた美であり、それがプロダクトとして帰結されている。でもやっぱり日本的DNAも感じられる。そのバランスに感銘を受けます」。

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奥様:「ミラノサローネでの職人さんの眼差しが印象的ですよね。同じ日本人として誇らしく思います。表参道店(Ritzwell表参道ショップ&アトリエ)にお邪魔した時も、職人さんが工房スペースで作業されていました。ちょうどRIVAGEイージーチェアのレザーを縫っていらっしゃいましたが、縫穴の数が上下で違うということを聞いて驚きました。立体的にアールを描いているのだからそうなりますよね。そんな会話を職人さんと直接できるのもすごく素敵だなと思いました」。

旦那様:「職人さんと直接コミュニケーションを取れることは最高ですよね。加えて大切なのは、家具を実際に使いながら、家具からメッセージを受け取りコミュニケートすることだと思います。モノってただのモノじゃなくて、あくまで作った人と使った人のコミュニケーションツールだと思うんです。私は多分Ritzwellの家具を通してデザイナーでもある宮本さんと、もう結構コミュニケーションが取れていると思っています。勝手に(笑)」。

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MARCELチェアは当初ウォールナットや黒塗装も検討されたが、お部屋の雰囲気に合わせてナラのホワイト色を選択。柔らかい雰囲気にまとまった
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奥様:「うちは猫もいるし、今後のメンテナンスが気になります。ウレタン塗装だと10年、20年経過した時にどんなメンテナンスをしたらいいのか、とか」。

旦那様:「私は使い込んだグローブのように、エイジングを楽しみたいです。表参道店(Ritzwell表参道ショップ&アトリエ)の陽に当たる場所に置いてあった商品も、多少陽に焼けていて経年変化の参考になりました。こんな味わいになるんだって」。

Ritzwellのオーナー様を対象に、訪問メンテナンスサービスをはじめ、Ritzwell表参道ショップ&アトリエではメンテナンスセミナーを不定期開催。木部のオイルメンテナンスを中心に日常のメンテナンス方法を実演形式で紹介している。(※今後のメンテナンスセミナーの開催はメールマガジンでお知らせします。ウレタン塗装については再塗装も承っています。ご相談はリッツウェル オーナーズデスクまでお問い合わせください)

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2024/5/27に数量限定で発売した『JK table mini』。リッツウェルのアイコン的な商品IBIZA FOTEリビングテーブルを1/5 スケールで製作したミニチュア。O様ご夫婦も早速購入されていた
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「きれいな箱、すてきなリボンの梱包、もちろんミニテーブル本体も期待通りでした」(写真:旦那様)

使い込むほどに

旦那様:「使い始めてさらに、Ritzwellへの要求度がかなり高くなってしまいました(笑)。使えば使うほど、実用性とデザイン性を高い次元で融合させていると実感できたからです」。

奥様:「宮本社長はどんなデスクをお使いなのかしら?参考にしたいです(笑)。あなたも宮本社長に伝えたいことがあるんでしょ?」

旦那様:「実はMO BRIDGEシリーズの、もっと奥行きがあるデスクが出ないかと…。待っています(笑)。MO BRIDGE スモールデスクは身軽な机として場所を選ばないスタイルだし、そういうコンセプトなんだろう、ということは理解しているつもりです。そして世の中にはケーブルなどの配線も考慮されたワークデスクがたくさんあります。でも私はRitzwellさんのMO BRIDGE(デスク)で、がっつりデスクワークもしてみたい。だから、待ってます」。

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職人やデザイナーが、どうしても言葉に表せないこともある。だからといって言葉で伝えることを諦める必要はない。

Ritzwellの家具からメッセージを受け取り、コミュニケーションを取りながら生活されているO様ご夫婦。このように直接お話を伺える機会は、ミラノサローネに出展することと同様に、私たちの“道標”に変わりない。

R’DISCOVERYはこれからも、作り手とユーザーを嘘のない言葉で繋げていく。

O様、貴重なお話をありがとうございました。

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