リッツウェルらしさとは何かを考え、深めつづける仕事
企画戦略室 アートディレクター:山田 豊尚
2011年中途入社

-これまでの経歴を教えてください
大学ではデザイン学科でインテリアデザインを専攻していました。卒業後は一度ディスプレイのデザイナーとして働き、空間デザインを経験した後に家具に進むことを決めていたんです。ちょうど転職を考えているとき、大学の助手の方に良い家具メーカーがあると教えてもらったのがリッツウェル。ウェブサイトでBLAVA EASYCHAIRを見て、日本でこんなにかっこいい家具をつくるブランドがあるのかと衝撃を覚えました。当時募集はありませんでしたが、どうしてもここでものづくりに携わりたいと思い、手紙とポートフォリオを送ったのが入社のきっかけです。

-企画戦略室ではどのような業務を行うのですか?
カタログやウェブサイトなど販促全般の制作に携わるだけでなく、ショールームのしつらえや運営、国内イベント、ミラノサローネの企画運営など多岐にわたります。実際の制作は協力会社と行うことが多いですが、ディレクションをするのは僕らの仕事。独自性の高い自社家具をどのように発信していくか、ブランディング領域を担うのが主な業務になります。
-仕事でよろこびを感じるときは?
新商品を発表するまでたくさんのツールを制作しますが、それを見てお客さまに僕らの想いが伝わっていると感じるときが一番うれしい。「リッツウェルらしさとは何か?」を常に考え、ブランドのイメージを具現化していきますが、その想いがしっかり伝わったときはやっていてよかったなと感じますね。

-仕事で大変だなと感じることは?
ブランドが成長するうえで、まだまだ足りないことはたくさんあります。でもそれがブランドとして大事なことか、優先順位の高いことかを考えることが重要。よそを真似するのではなく、リッツウェルブランドとしての本質を突き詰めて考えることは非常に根気のいることです。すぐに答えを見いだせず苦悩することも多々ありますが、その先に真の独自性があるのだと考えています。
-独自性を表現するうえで記憶に残った挑戦はありますか?
表参道にショップを出すとき、職人の仕事が見られる場所を常設したというのも非常にリッツウェルらしいチャレンジですよね。普通だったらそのスペースを使ってもっとたくさんの商品を並べた方がいい。でもブランドとして手しごとを見せることを優先させたことで、ショップ&アトリエという独自性のあるコンセプトが生まれました。企画戦略室はそういった「優先順位」を見極める目が必要になってくる部署。

もともとは東京のデザイン&アートイベントで「家具と手しごと展」という職人のものづくりを体感できるイベントを企画し、そこでお客さまと職人との接点が生まれたことがきっかけです。もっと遡れば、職人の手しごとが見られる工場をつくろうというコンセプトで糸島工場が生まれたことにもつながっていますし、ミラノサローネでの職人のプレゼンテーションにもつながっている。すべて、ブランドとして何を大事にするか、その根っこの部分から生まれているアイデアなんです。
-リッツウェルはどんな会社?
奇をてらうことはせず、まじめにものづくりに向き合う会社です。でも決して、新しいものを受け入れないわけではありません。新しいものも柔軟に取り入れながら、自分たちのやりたいことを愚直に貫いている。そのバランスがすごくいい会社だと思います。
-感性を磨くためにやっていることは?
興味のある展示があったら美術館を訪れたり、実際に足を運んで体感することを大事にしています。あとは、あえてあまり知らない分野にも触れてみる。新しい建築は好きだけど、古い建築は詳しくないとしたら、古い建物は何が違うのか、実際に感じてみたいんです。そこのなかに、きっと何かが潜んでいるはず。食わず嫌いをなくしたいし、自分の判断基準をフラットに保ちたいんです。
最近、歴史にも興味を持ちはじめました。歴史がわからないと、たとえば中世の絵画の本当のよさも理解できないはず。背景を知ったうえで向き合って、物事の本質を捉えたいという気持ちが強くなっています。
-仕事をするうえで大切にしていることは?
家具が好きであること。その気持ちは最初から揺るぎないものです。リッツウェルの社員は、会社に何年いても自社の製品が好きだというんですよね。同じものを何年つくっていても、かっこいいよねと言えるのがすばらしい。家具が好きで、ブランドに誇りを持っているという素直な部分が、ものづくりを追求するうえで欠かせないと思います。
僕の仕事は、ブランドを深掘りしつつ、視野を広げていくこと。リッツウェルブランドとは何なのかを考え続けながら、芯をぶらさないことを大切にしています。根っこと幹さえしっかりあれば、花の咲かせ方はたくさんあるんですよね。
-仕事に欠かせない道具はありますか?
カバンの中にいつも入っているノートとペン。とにかく手を動かしてメモを取る。頭のなかをそのまま書き留めている感じです。バババッと勢いでメモしてるので、自分にしか読めないくらい汚いんですけどね(笑)。

-応募される方にメッセージをお願いします
まずはリッツウェルを好きでいてくれる方、あるいはインテリア、家具が好きな方を歓迎します。企画というと次から次へとアイデアを出してプロモーションを考えるという印象かもしれませんが、我々はブランドの根っこを考えるのが主な仕事。本質的な課題に向き合うことが大事になるので、深く思考することが好きな人に向いていると思います。いっしょに新しいチャレンジをして、成長していきましょう!