糸島工場工場長:中村 篤矢
2002年中途入社

-これまでの経歴を教えてください

リッツウェルに入る前はアパレルで販売の仕事をしていたので、まったく異業種からの転職。はじめは入出庫の仕事からスタートして、徐々にものづくりの幅を広げていきました。職人としては経験ゼロのスタートだったので、椅子張りの作業もはじめはイメージがわきませんでしたが、やっていくうちにどんどん仕事の魅力に気づいておもしろくなっていきました。

-経験ゼロからでも職人になれますか?

僕もそうですが、リッツウェルの職人は家具づくり未経験の人がほとんど。家具が好き、ものづくりが好きという方であればウェルカムな環境です。難易度の低い作業からひとつひとつ先輩が教えていきますが、たとえば椅子の張りという作業ひとつとっても、布や革、素材の種類によってさまざまな調整が必要。人の感覚や感性によるところが多くあり、技術を数値化できない部分がむずかしいところです。そこを習得するまでには時間がかかりますが、身につくまで何度も繰り返すことが重要。周りもしっかりサポートします。

-仕事でよろこびを感じるときは?

糸島シーサイドファクトリーができた2019年には8人だった職人も、いまはパートさん含め20名に。いっしょに働くメンバーの技術が向上したときのよろこびはすごく大きいです。糸島工場でできることがどんどん増えて、リッツウェルとともに成長していると実感できます。

また僕自身も、新製品ができるたび新しい製法を身につけたり、職人として常に発見があります。新製品にかぎらず、細かな工程ひとつでもやり方を工夫することで仕上がりが変わってくる。個人の技術を磨くだけでなく、ブランドとして品質を高めるために、メンバー同士が集まって技術を共有しながら日々作業しています。ものづくりには終わりがないという感じですね(笑)。

-リッツウェルの職人ならではのよろこびはありますか?

糸島では工場見学でお客さまが訪れたり、東京では「家具と手しごと展」というイベントがあったり、直接お客さまと触れ合う機会が多い。それが、ものをつくる意識にすごく影響していると思います。お客さまの顔を見て、この人のよろこびになるものがつくれるんだと思うと、仕事に誇りを持てるんです。さらに、リッツウェルはミラノサローネでも職人のプレゼンテーションを行っています。そういった世界的なステージで自分の技術を披露できることはめったにないチャンスですし、職人にとって大きなモチベーションになっていると思います。

あとは、自然豊かな糸島工場の環境も大きいですね。90分集中して10分休憩というリズムで仕事をしていますが、この工場でいちばん景色のいい部屋を休憩室にしているんです。そこに集まってワイワイ話しをながらリフレッシュして、また作業に戻る。メリハリをつけて仕事ができることも、メンバーのモチベーションにつながっています。

糸島シーサイドファクトリーの休憩室。窓からは美しい海が見渡せる。

-リッツウェルはどんな会社?

良いものづくりをとことん追求する会社です。たとえばDIANAというソファは、リッツウェルの最高基準を生みだそうとつくられたプロダクト。2014年に発売されましたが、発売後も毎月定例会議を行って、ごくごく細かい仕様まで改善し続けました。一見どこが違うのかわからないくらい微細な修正を続けて製品を磨きあげたことは、僕にとっても大きな経験。本当に細部の細部までこだわった製品は、不思議とオーラが出ているんです。

DIANA

-感性を磨くために心がけていることは?

自然を眺めること。きれいだと感じる景色をぼんやり眺めたり、美しいものを見ることが感性を高めてくれると思います。工場で扱う素材も天然のものが多いですし、自然に触れることが良いものづくりにつながっているのではないでしょうか。四季折々で変わっていく糸島の美しい景色を眺めながら仕事ができるのは、とてもいい環境だと思います。

-仕事をするうえで大切にしていることは?

世界一流を目指す自社に誇りを持つこと。僕らはミラノサローネで他社の製品を見ても、やっぱりリッツウェルの家具が良いと思う。ここで働いている人は、本当に自社の製品に誇りと愛着を持っているんです。良いデザインを良い素材でつくっていることがシンプルに楽しい。だからこそ、もっと良くしたいと思うんでしょうね。

-仕事に欠かせない道具はありますか?

糸をすくったり、指ではできない細かい作業をするときに欠かせない細工針。自分の手の延長のような感覚で使っています。

-応募される方にメッセージをお願いします

糸島工場は椅子の張りに特化した世界でもめずらしい工場。だからこそ、椅子張りに関しては世界一きれいな仕上がりを目指すべく日々技術を磨いています。明るく前向きでチャレンジ精神のある人であれば家具づくりの経験がなくても大歓迎!日々技術の研鑽を行い、ともに成長していきましょう。